【実践編】ぼかし肥料の作り方から使い方まで解説!気になるぼかし肥料3選も!
こんにちは、けいたろうです!
突然ですが皆さん、ぼかし肥料を作っていますか?
これから挑戦する初心者の方、ぜひこちらでぼかし肥料の基礎を学んでいただけたらと思います!
「作ったことはあるけど他にいい作り方はないかな?」と向上心の高い方にもためになるようなことをまとめておりますので、最後までお付き合いください!
今回は基本的なぼかし肥料の作り方や、使い方までご紹介していきます。
そして、基本を身につけた方向けには変わり種ぼかし肥料もご紹介するのでお楽しみに!
この記事はこんな人におすすめ!
・これからぼかし肥料作りにチャレンジしたいと考えている人
・変わり種ぼかし肥料に興味がある人
ぼかし肥料とは
ぼかし肥料とは、数種類の有機物をブレンドし微生物の力を借りて発酵・分解させて作る肥料のことです。
緩効性、即効性の両方の性質を併せ持つため万能な肥料として知られています。
また原料のほとんどが生物由来の材料であるため環境循環型の土壌にもやさしい肥料です。
実際に作ってみよう!
用意するもの
用意するものはたったこれだけです!
・有機物材料(米ぬか、油かす等)
・水
・発酵促進剤
・容器(畑等の露地で作らない場合)
容器はなんでもいいです。ただ水を使用するため、段ボール等の水分が抜けていくような素材は避けてください。大きめのビニール袋でもいいですし、100円ショップで売っているようなプラスチック製の容器でも構いません。
発酵促進剤は市販のEM資材のほか、土着菌を含む土、納豆などがありますので後ほどのQ&Aのコーナーで詳しく説明します。
ぼかし肥料の作り方(好気性発酵の場合)
①配合する有機物と発酵促進剤を容器の中で混ぜ合わせる
全体にむらがなくなるようによく混ぜ合わせます。
水を入れる前のほうが混ざりやすいのでここでしっかり混ぜましょう。
手で混ぜると均一になりやすいですし、何より気持ちいいです(笑)
②水を少しずつ加えながら、さらに混ぜ合わせる
一気に水を入れるのではなく、少しずつ加えます。
水加減は握ると混合物が固まり、指で押すと簡単にほぐれる程度がベスト!
くれぐれも水の入れすぎに注意して下さい。
万一水を入れすぎたら、有機物を足して水加減を調節しましょう。
③あとは基本的に微生物にお任せ!・・・ほんの少し微生物のお手伝い
あとの仕事のほとんどは微生物が発酵を進めてくれますのでお任せです。
混ぜ込んで数日後に発熱してきますので、翌日発熱していなくても気長に待ちましょう。
好気性発酵の場合は定期的にかき混ぜて全体に酸素をいきわたらせる作業が必要となります。
私は1~2日おきにかきまぜるようにしています。
途中水分が蒸発しているようでしたら適宜水を足してください。
また、綿状の白カビが発生する場合がありますが、問題ありません。
むしろいい兆候といえます。発酵が進んでいる証拠です。
かき混ぜるときにはできるだけ50℃以上にならないように、混ぜ具合で温度管理ができるとなおよいです。
あくまで目安ですが春夏秋は10日~2週間程度、冬場は1か月程度で使えるようになりますので、使いたいタイミングを見極めて作り始めるとよいでしょう。
④乾燥させる(保管する場合)
発酵をある程度で止めることで、畑に施肥した後にも効果が持続します。
シートなどに広げて水分率を落としておくと、6か月程度は使えると言われています。
ぼかし肥料の作り方(嫌気性発酵の場合)
①配合する有機物と発酵促進剤を容器の中で混ぜ合わせる
②水を少しずつ加えながら、さらに混ぜ合わせる
最初の手順は好気性発酵の場合と同じですので割愛します。
③密閉できる容器に入れて、封をする
嫌気性発酵では空気がない状態でないといけません。
宇宙空間で作業ができればいいのですが、地上ではそうも言っていられません。
大きい肥料袋や市販のビニール袋などに入れ、極力空気を抜いて袋の口を縛りましょう。
あとは本当に完成まで放置するだけです。
好気性発酵とは違い切り返しは不要です。
完成までには春夏秋では1か月、冬は2~3か月を目安とするとよいと思います。
④乾燥させる(保管する場合)
好気性ぼかし肥料と同じく、保管する場合は水分率を落としてから保管しましょう。
ぼかし肥料の使い方
元肥として使う
ぼかし肥料は元肥として使うことができますが、少し注意が必要です。
ぼかし肥料中には発酵段階で有機質が分解されたことで、植物がすぐに吸収しやすい状態の肥料成分が入っています。
そのためぼかし肥料には即効性があるのですが、元肥としてぼかし肥料を施肥しすぎると栄養過多、特に窒素過多になることで徒長したり虫や病気にかかりやすくなったりします。
そのため元肥として使い場合は少なめの施肥を心がけ、足りない分は追肥で補うようにするとよいと思います。
追肥として使う
ぼかし肥料は追肥としてのほうが効果を発揮できると言えます。
それは即効性と緩効性のハイブリッド肥料だからです。
すでに発酵させてあるので即効成分が含まれますし、未分解成分も含まれているため
施肥した後に土壌中の微生物によって実分解成分の発酵がさらに進み、長く肥料効果が続きます。
私もぼかし肥料は主に追肥として使っており、1年に数回作って保管しています。
ちなみに私は米ぬかと油かすを2:1くらいの割合で混ぜたシンプルなぼかし肥料を作っています。
気になるぼかし肥料3選
①米ぬか納豆ぼかし肥料
米ぬか納豆ぼかし肥料は有機物として米ぬか、発酵促進剤として納豆(納豆菌)を使ったシンプルなレシピです。
納豆菌は「分解屋」と呼ばれているほど分解能力の高い菌なので、発酵が進みやすく、初心者にもおすすめできるぼかし肥料です。
納豆菌の働きについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
rikeinokateisaien.hatenablog.com
このぼかし肥料は好気性発酵で作りましょう。
ぼかし肥料を少量仕込む程度であれば、納豆をスプーン1杯程度ぬるま湯に入れて混ぜたのち、米ぬかに混ぜ込むとよいでしょう。
用意できる方は米ぬか以外にも油かすや魚粉、骨粉等の有機物を混ぜてもよいと思います。
②化学肥料ぼかし
化学肥料ぼかしというものも存在するようです。こちらはこちらの本で紹介されていました。
この肥料は通常のぼかし肥料を作る発酵途中に、化学肥料を加えることで
ぼかし肥料と化学肥料が混ざった化学肥料ぼかしなるものが完成するんだとか。
作り方は化学肥料を少しずつ加えていき、ぼかし肥料に混ぜ込むだけ。
化学肥料をぼかし肥料に入れることで、窒素、リン、カリが微生物中に取り込まれるなど有機化され、流亡しにくい形態になるんだそう。
さらにこのぼかし肥料はたった10日で完成する点も特筆すべき点で、
通常のぼかし肥料よりも肥料成分も多くなります。
この本で紹介されていたのは単肥を入れるレシピでしたが、
窒素リンカリの成分が8-8-8の化学肥料でも同様にできるのではないかと思います。
私は化学肥料を使わないため家に化学肥料がありませんが、家に化学肥料があるよ!という方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
詳しい作り方が気になる方はコメント等で教えてください。
もし反響が大きいようでしたら、自身でも試してみようと思います。
③2段階発酵ぼかし
このぼかし肥料は2段階の発酵を経て作られるぼかし肥料です。
なんとこのぼかし肥料、好気性発酵と嫌気性発酵のどちらの発酵もさせるのです。
手順としては、
①好気性発酵を3週間行う
②嫌気性発酵を1週間行う
この方法のメリットは完成前1週間を嫌気性発酵にすることで温度の上昇が抑えられ、窒素分がガスとして逃げていくことを防ぐことができるそうです。
そのため効きのいいぼかし肥料になるそうですよ。
配合する資材はすでにご紹介したような米ぬか、油かす、骨粉等で問題ありません。
Q&A
素朴な疑問を解決します!
①材料について
ぼかし肥料にはどんな材料が使えるの?
いい質問です!代表的なものをご紹介します。
・米ぬか ・油かす ・骨粉
・魚粕 ・もみ殻 もみ殻くん炭
・鶏糞 ・おがくず ・生ごみ ・おから 等
他にも色々ありますがほんの一例です。
②発酵促進剤について
発酵促進剤ってわざわざ買わないといけないの?
そんなことはありません!市販のEMを使用すれば確実ですが、代用はいくらでもできますよ。
・納豆 ・ヨーグルト ・乳酸菌飲料
・土着菌がついている土 ・前回作ったぼかし肥料 等が代用できます。
③資材の入手方法について
ぼかし肥料の作り方はなんとなくわかったけど、材料はどこで手に入るの?
早い話、ホームセンターに行けば何でも揃っています!
ですが、できるだけ安く材料を集めたいですよね?
そんな方におすすめな材料はこちら!
・米ぬか・・・コイン精米所の隣の小屋に無料で米ぬかがいただける場所があります。
・もみ殻・・・カントリーエレベーターやライスセンターでいただける場合があります。
・家畜糞・・・お近くの養鶏場、農場、競馬場、等で格安で販売されているケースがあります。発酵まで行っているところも少なくなく、良質な堆肥を安くいただけますよ。
さいごに
今回はぼかし肥料の作り方から使い方までを解説しました。
また私の気になるぼかし肥料も3つご紹介しました。
これを機にぼかし肥料を新たに始める方のお役に立てましたら幸いです。
また、今回ご紹介した3つのぼかし肥料はなかなか面白いぼかし肥料だと思いますので、皆さんもぜひ挑戦してみてください。
それでは次の記事でお会いしましょう!
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