理系と学ぶ家庭菜園術

理系なりの解釈で野菜づくりを学んでいきます

ミミズのいる土ってなんでいい土なの?ミミズがもたらす驚きの効果とは!?

こんにちは、けいたろうです!

最近馬糞堆肥を畑にすきこんだら、爆発的にミミズが増えました。

現在私の畑には三角ホーでひと掻きすると1匹見つかるくらいの密度でミミズが住んでいます。

畑にミミズがいることはいいことだとよく耳にするため、ミミズが増えてラッキーと思っていました。

しかしよくよく考えると、ミミズが実際にもたらす効果を知らないためミミズが増えたことで何がどうラッキーなのか、どうして増えたのか気になりました。

そこで、土に住む身近なミミズについていろいろ調べてみることにしました。

 

 

この記事はこんな人におすすめ!
・ミミズがもたらすメリット、デメリットを詳しく知りたい人
・肥沃な土づくりをしたい人

 

記事の内容に入る前にまず結論を先に言います。

この記事の結論
ミミズはメリットが大きい生き物に違いないが、実は注意点もある!

 

本編で詳しく解説していきます。

 

 

 

ミミズってどんな生き物?

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ミミズは無脊椎動物に分類され、世界中には約7000種のミミズが確認されています。

日本だけでも100種類程度存在しているようです。

ミミズは古くから「自然の鍬」と呼ばれ、近年は「生態系の技術者」「土の健康のバロメーター」などと呼ばれ方もしています。

自然科学者のチャールズ・ダーウィンはミミズのことを「地球上でもっとも価値のある動物」と褒めたたえています。

またアリストテレスはミミズを「大地の腸」と言い表しました。

これほどまでミミズのことを益虫と崇めているのに、どういったメリットがあるか具体的に説明できる人はなかなかいないような気がします。

次の章で、具体的なメリットを覚えましょう!

 

ミミズの重要な行動4つ

1.動く

1つ目のミミズの行動は「動く」ことです。

ミミズが土の中を動き回ることで土中に地中に孔の道ができます。

この孔には空気が入り込み、「ふかふかの土」になるわけです。

土の中に空気が含まれることによって、根の細胞呼吸が活発になり根はりの向上が期待できます。

またミミズが作った孔には水も入り込みやすくなるため、通気性に加え水の浸透性もよくなり水はけのいい土となります。

 

2.食べる

ミミズは、口から有機物を飲み込み、エネルギー源を得ています。

この有機物が咽頭や腸内を通過していくうちに、体内で分泌された尿素、塩類、酵素の作用を受けながら細かな粒子になります。

また消化の際にはミミズの腸内細菌や酵素等のはたらきにより下記効果がもたらされます。

 

・リン酸やカリウムを根が吸収しやすいかたちに変換

・カルシウムを再び結晶化

・ビタミン類を合成

 

さらにミミズは1日に自分の体重と同じくらいの有機物を食すと言われており、ミミズの寿命が1年(畑でよく見かけるフトミミズの場合)と言われていますので、生涯に食し、粒子を細かくする土の量は馬鹿になりません。

 

3.糞と分泌液を出す

ミミズは1日に自分の体重と同じくらいの有機物を食べるため、当然その分排泄の量も多く、1日に自分の体重の半分~2倍排出されると言われています。

この糞尿が土によい効果をもたらします。

ミミズの糞には作物の生育に必要な養分が多く含まれています

排出された糞と土を比較すると下記のような特徴があります。

 

・全窒素分が約3倍になる

・リン酸が2.5倍になる

・カルシウム、カリウムマグネシウムが1~2倍になる

・腐食酸(腐食物質)が14倍になる

アミノ酸が豊富に含まれる

・pHが弱酸性(pH6程度)となる 等

 

※表は土中の養分を1としたときのミミズ糞中の養分(最大値)を表す

 

 

ミミズの糞が別名「黄金の土」と言われる所以が理解できる気がしますね。

 

糞のほかにミミズは体に粘液をまとっており、この粘液も土によい効果をもたらします。

粘液にはタンパクが含まれており、このタンパク(窒素分)中に水分、炭素、リン酸などが多く含まれています。

この粘液はミミズの体表を覆っているため、ミミズが移動するたびに孔の壁面に付着し、この壁面に養分が集中しているためミミズが通った孔は微生物にとって格好の繁殖場となるそうです。

微生物が繁殖する場所には植物が必要とする養分が生まれるため、植物の根にとっても大変よい環境ということが容易に想像できます。

 

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4.死骸となる

ミミズの体にはタンパク質のほかビタミン等多く含まれるため

死骸が分解された後も良質な養分として土に還元されます。

 

ミミズが増えることはいいことばかりではない!?

これまでミミズがもたらすメリットを懇々と語ってまいりました。

しかし、世の中そんなにうまい話があるものかと、デメリットについても

調べてみました。

 

デメリット1:モグラが寄り付くリスクが高まる

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モグラはミミズが大好物です。

モグラが直接作物を食べることはないようですが、せっかく整えた畝を乱されたり、モグラが掘った穴にネズミが侵入するなどして二次被害が発生するケースもあるようです。

こういった理由でモグラは害獣と言われることも多く、畑にいないほうが望ましいです。

 

デメリット2:そもそもミミズが住んでいることが問題・・・!?

これは厳密にいうとデメリットではありません。

ミミズは有機物を食べ土壌改善をしてくれます。

つまり有機物がたくさん含まれている土にはミミズが多く住むことができるのですが、有機物がたくさん含まれる土は植物のための土としては未完成の状態であるとも言えます。

(成熟した肥沃な土というのは有機物が分解され、腐植が多くある状態だからです。)

 

「私の畑はミミズがたくさんいる」と自慢げに話していても、「私の畑はミミズのエサが豊富にある未完成な畑です」と言っているも同然なのです。

ただ、化学肥料等を多く使用する畑では未完成な土壌状態でもミミズが生息しにくい環境となりやすいため、そういった意味ではミミズがいる状態は決して悪い状態ではない、とも言えますね。

 

ミミズを増やすにはどうしたらいい?

これまでの説明で皆さんが考えることは一つでしょう。

「ミミズを畑に増やしたい!」そんな声が聞こえてきそうです。

たくさん購入したり、採取したりして畑に放つというやり方も考えられなくはないですが、現実的ではなさそうです。

そのため、自然に増やす方法が一番手っ取り早いと思います。

ミミズを増やす方法を以下で解説します!

 

畑をむやみに耕さない

いい土作りには耕すことが重要だと思っていましたが、ミミズの住環境を壊さないためにもむやみに耕さないことが重要です。

耕すことで、ミミズが住んでいる環境が変化し、住みづらくなる可能性があります。

また耕す過程で、鍬などで物理的に死んでしまうこともよくあります。

 

有機肥料を使う

有機肥料はミミズのエサとなります。

エサがあれば当然ミミズは増えやすくなります。

ミミズを増やしたい場合は化学肥料ではなく、有機肥料を畑に施肥してください。

 

私は馬糞堆肥を入れてミミズが爆発的に増えました。

堆肥生産者の方から直接購入したときにお話させていただいた際には

「堆肥作ってるとミミズがたくさんわくから堆肥にも入っているかもしれないけど、ごめんね」とおっしゃっていました。

馬糞堆肥中には有機物が豊富に含まれており、ミミズにとっては住みやすい環境でしょう。

 

ミミズ入りの馬糞堆肥を畑にすきこんだ私は、にんまりです。

もともと畑にいたミミズたちにもいいエサを補給する形となり、

畑のミミズが明らかに増えました!

ミミズのおかげで私が仕事中にも自動で土が耕されています。笑

 

さいごに

今回はミミズが実のところどういったメリットをもたらしてくれるのか、わからなかったので気になって調べてみました。

ミミズは決して見た目がいいとは言えませんので敬遠していた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の記事を読んだらミミズに愛着がわくかも(?)しれないですね。

ミミズがもたらすメリットをありがたく享受して、野菜づくりに取り組みましょう!

これからも皆様の役に立つ記事作りを目指していきます。

 

それでは次の記事で会いましょう!