理系と学ぶ家庭菜園術

理系なりの解釈で野菜づくりを学んでいきます

コンパニオンプランツとバンカープランツの違いって何?

こんにちは、けいたろうです!

突然ですが皆さん、コンパニオンプランツって聞いたことありますか?

コンパニオンプランツは近頃積極的に実践されている方も多く、聞いたことがある人が多数かと思います。

では、伺います。

バンカープランツって聞いたことがありますか?

これを知っている方はなかなかの情報通ですね。

今回は、植物を病害虫から守るコンパニオンプランツ、バンカープランツの違いについて詳しく解説していこうと思います。

 

 

この記事はこんな人におすすめ!
コンパニオンプランツについて詳しく知りたい方
・バンカープランツについて詳しく知りたい方

 

記事の内容に入る前にまず結論を先に言います。

この記事の結論
コンパニオンプランツ:一緒に植えると互いによい影響を与える植物
バンカープランツ:害虫の天敵を呼び寄せるための植物

 

 

コンパニオンプランツ

コンパニオン(Companion)は、「仲間」「連れ」といった意味の言葉です。

コンパニオンプランツはその名の通り、一緒に植えることで仲間になる(助け合う)

植物の関係性を言います。

ここで言う、助け合うとは病害虫を防いだり成長を助けたりすることを指します。

栃木県では、「ユウガオ」と「長ネギ」を混植すると病害が起きにくくなるという

言い伝えがありました。

また中国の農書にも「ウリ科」にネギを混植すると病害にならない、といった記載があるようです。

実はこのように、コンパニオンプランツについては科学的に証明される

300年以上も前から経験則に基づいて語り継がれてきた、伝統的な栽培方法なのです。

 

コンパニオンプランツが病害を防ぐメカニズム

病害を防ぐコンパニオンプランツとしてはネギが有名です。

ネギの根には拮抗細菌が生息しており、抗菌物質を産出します。

この抗菌物質には土壌病原菌による連作障害を防ぐ効果があり、

さらにネギ属はアリシンという成分も産出するため、病原菌の抑制効果が期待できます。

 

このような効果は他のネギ属(ニンニク、ニラ、チャイブ)でも同様に期待できます。

ネギの他にも病害を防ぐコンパニオンプランツはありますが、根から発せられる成分が

病原菌を抑制するメカニズムが大半です。

 

コンパニオンプランツが害虫を忌避するメカニズム

害虫を忌避するコンパニオンプランツの例として、バジルやシソなど香りが強い

「シソ科」が挙げられます。

シソ科が放つ独特の香り成分はアブラムシ等の害虫を忌避する効果があり、

トマトやピーマンなどのナス科の植物と植えられることが多いです。

 

コンパニオンプランツが成長を助けるメカニズム

成長を助け合うコンパニオンプランツとしてはマメ科の植物が有名です。

マメ科の植物の根には、根粒菌が共生しています。

 

根粒菌・・・空気中の窒素をアンモニア化合物に変換して植物に供給する。

       植物はこの働きを助ける物質が提供される。

 

根粒菌のはたらきによりマメ科の根周辺にはチッソ分が多くなります。

これが周辺作物の成長を促すため、マメ科コンパニオンプランツとなりうるのです。

 

コンパニオンプランツのおすすめ組み合わせ

以下にコンパニオンプランツとしておすすめの野菜の組み合わせを

ご紹介します。

あくまでも一例であり、下記表以外の植物だとマリーゴールド等も

センチュウ対策のコンパニオンプランツとして有名です。

また、科学的に効果が証明されているコンパニオンプランツの組み合わせは

限られており、経験則から実践されているものも少なくありません。

 

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バンカープランツ

バンカー(Banker)とは、元来「銀行家」といった意味があります。

転じて害虫の天敵を育み、蓄える植物のことをバンカープランツと呼ぶように

なったと言われています。

バンカープランツはコンパニオンプランツとは植える目的が異なります。

コンパニオンプランツは、植物同士が互いにいい影響を及ぼし合う関係であったのに対し、

バンカープランツは害虫の天敵が生息する植物を指し、この天敵が害虫被害を防ぐというものです。

 

バンカープランツが害虫を抑制するメカニズム

基本的な考え方を詳しく記載します。

①忌避したい害虫を絞り込む(これを害虫Aとする)

②害虫の天敵(害虫Aを捕食する昆虫)を知る

③バンカープランツとして、害虫Bが発生するものを選定する

④害虫Bを捕食するために、天敵が呼び寄せられる

⑤天敵は害虫Aも捕食するので、作物を害虫Aから守ることができる

 

ここで大切なのは害虫A、Bを両方とも捕食する天敵を呼び寄せることです。

また害虫Aはバンカープランツに誘引されてはいけないし、害虫Bも本来守りたい

作物に誘引されてはいけません。

天敵を呼び寄せているのか害虫を呼び寄せているのかわからなくなってしまいますので・・・。

 

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バンカープランツとして知られる植物

バンカープランツとして利用できる植物や、住みつく天敵について紹介します。

花が咲く植物は花の蜜で天敵を誘引します。

また、背の高いソルゴーやエンバクなどはクモ類、クサカゲロウ、カマキリなどの格好の住処となります。

これらの植物を畑に植えると、天敵の誘引効果が期待できます。

 

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さいごに

今回は、コンパニオンプランツとバンカープランツの違いについて解説しました。

簡単にまとめますと、以下の通りです。

 

コンパニオンプランツはお互いにいい影響を与え合う植物

・天敵を呼び寄せ、住まわせる植物

 

皆さんもぜひ、積極的にコンパニオンプランツ、バンカープランツを利用して

無農薬でも生育のよい栽培を楽しみましょう!

それではまた次の記事でお会いしましょう。