狭い畑でも連作はできる!?連作障害の対策4つを解説【応用編】
こんにちは、けいたろうです。
今回は基本的な連作対策はもうすでにしたものの、さらなる対策をして連作対策をさらに強化したい!という方向けに連作障害対策の【応用編】について紹介したいと思います。
基礎対策から実施してほしいので、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。
この記事はこんな人におすすめ!
・連作障害が不安で対策を強化したい人
・畑が狭く連作になりがちな人
記事の内容に入る前にまず結論を先に言います。
この記事の結論
農薬に頼らなくても、有用な天然資材で連作障害に強い畑を作ることができる!
連作障害の対策を4つご紹介
対策①:もみ殻くん炭をすきこむ
もみ殻くん炭を土にすきこむと、野菜と共生する菌根菌の住処(すみか)となります。
菌根菌は野菜の根と共生している菌で、野菜から光合成で得た糖などをもらう代わりに、野菜が根だけでは集めにくい肥料成分やミネラル、アミノ酸等を野菜に提供しています。
菌根菌はさらに野菜の抵抗性を高め、病気に強い野菜にする効果も期待できます。
菌根菌の住処になること以外にも、もみ殻くん炭は土の物理性(水はけ、通気性等)の改善にも効果がありますので、病害虫の予防にも効果的です。
対策②:米ぬかをすきこむ
連作障害の代表、センチュウ被害に効果的な方法です。
この方法は米ぬかを餌とする無害なセンチュウ(自活線虫)を増やし、悪玉線虫を抑制することを目的としています。
自活線虫は老廃物として尿酸を排出し、この尿酸はすぐにアンモニアへ変化します。
実は悪玉線虫はこのアンモニアに弱く、自活線虫が増殖することで土中のアンモニア濃度が上がり、悪玉線虫を抑制することができるのです。
米ぬかのすきこみは春から秋の比較的暖かい気候が適しており、米ぬかをまいてから1か月以上経てば、問題なく次の野菜づくりに取り掛かることができます。
米ぬかをすきこむ際は、1m²に400g~2kg程度を目安にします。
対策③:カニ殻をよくすきこむ
トマトなどの連作で発生すやすい萎凋病(いちょうびょう)は萎凋病菌が引き起こしています。
萎凋病菌は地中で長く生き続ける厄介な病原菌ですが、カニ殻を土にすきこむことで
効果的に予防することができます。
萎凋病菌の表面は甲殻類の殻と同じ成分であるキチン質という固い物質で覆われていますが、実はこのキチン質を餌とするのが放線菌と呼ばれる菌です。
この放線菌を増やしてあげることで、効果的に萎凋病を防ぎましょう。
そのためには土には放線菌の餌であるキチン質たっぷりのカニ殻を1m²あたり200~400g程度すきこみます。
ナスの半身萎凋病やイチゴの萎黄(いおう)病、キュウリやスイカのつる割病、ホウレンソウの萎凋病にも同様の効果が期待できます。
対策④:アブラナ科の野菜残渣をすきこむ
ワサビやカラシナに代表されるようなアブラナ科の野菜は独特の辛味やツンと刺激する香りがあります。
この成分はイソチオシアネートという揮発性物質で、土中の殺菌・殺虫効果が期待できます。
このようにアブラナ科の野菜を土にすきこみ、分解過程で生成する成分によって土壌中の微生物やセンチュウ、雑草の生育を抑制することをバイオフューミゲーション(生物的燻蒸)といいます。
カラシナ、ダイコン、シロカラシなどがよくこの方法に利用されるようですが、他にもブロッコリー、キャベツなどはすきこめる量が多いというメリットがあります。
またアブラナ科の他にもエンバクなども新しい燻蒸植物として研究されているそうです。
新常識!?残渣のすきこみで連作障害対策
これまでの家庭菜園では、野菜残渣(ざんさ)は畑から持ち出して処分するのが常識でした。
しかし連作障害対策の観点から、必ずしも残渣は持ち出さなくてもよいという考えが定着しつつあります。
残渣を土にすきこむことで土中の分解微生物が増え、病気に強い土づくりに一役買います。
土にすきこむ際は20cm程度にカットし、よく乾燥させてからすきこむのが一般的です。
ただし、病気になった株の残渣を乾燥させてすきこむのはNGです。
病気にかかった株をワクチン接種と同じようにあえて土にすきこむ場合は、必ず乾燥させずに土にすきこむのがよいそうです。
生のまますきこむことで、その病原菌を餌をする菌が増えますので、次作以降の病気の発生が抑える効果が期待できます。
ただしウイルスが原因の病気の場合は、すきこんでも効果が期待できませんので畑から持ち出すのがよいです。
まとめ
今回ご紹介した方法は、ホームセンターで比較的簡単に入手できる資材を使ったり、
中にはそのまま土に還したりすることで連作を未然に抑制する方法をご紹介しました。
これまで試したことがなかった資材についても、これを機に試してみてはいかがでしょうか。
今回の記事はこちらの本を読んだ内容をまとめております。
詳しいことをもっと知りたい方は参考にされてください。
それでは次の記事でお会いしましょう!